11月1日午後1時43分
舞台やコンサートのパンフレット。ステージを取材することは彼らの魅力を知るために必須
デビュー間もない芸能人への取材は難関だ。質問すると「分からない」を連発されたり、紋切り型の言葉を繰り返されたり。どうやって魅力を伝えようか、途方に暮れることが多々ある。
その中で、ジャニーズ事務所のアイドルたちのプロ意識、サービス精神には救われることが多い。
亀梨和也にインタビューしたのは、KAT―TUNとしてCDデビューする前。ドラマ撮影の合間に時間をもらうことになっていた。待つこと3時間あまり。「お待たせしてすみません。これどうぞ」と、撮影の小道具で使った色とりどりの紙テープをプレゼントされた。余り物である。
だが、人気者の取材は待って当然、と思わされることが多いだけに、その気配りに感嘆し、気持ち良く話を聞けた。
ニュース番組のキャスターになった嵐の桜井翔に、インタビューしたときのこと。「経済、社会問題に関する本を読むことが多い」と言う。面白かった本を尋ねると、作家辺見庸の「もの食う人びと」を挙げた。
放射能に汚染された土地や貧しい地域などに行って食し
た日々をつづったノンフィクション。辺見が共同通信社の記者時代に執筆した連載企画で、多くの新聞に掲載され、後に本になった。「うちの会社ですね」と驚くと「元ですよね」と、辺見が退職したことも知っていた。
アイドルの取材で、通信社の社名が認知されることなんてほとんどない。名刺を差し出しても「雑誌ですか」と聞かれるか、不可思議な顔をされるか。それなのに彼は!
偶然のことではあるまい。こちらの名刺を見て、とっさに思い付いたのか、弊社の取材があると知って準備していたのかは確かめられなかったが、どちらでもいい。サービス精神とプロ意識の高さに脱帽した。
「何百人もいるジャニーズJr.の中から選ばれてうれしい」。新ユニットHey!Say!JUMPの結成会見での、知念侑李の言葉が、彼らの厳しい生存競争を物語る。
ライバルは常に隣にいる。事務所にやっと入れても、デビューできるのか、人気者として居場所を確保できるのか。
「分からない」なんて答えたら、自分の存在意義をアピールできないと学んでいく、たくましき笑顔の持ち主たちなのである。(高橋夕季・共同通信記者)
FROM:http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news4/article.php?topicsid=9999&pack=EN&storyid=50559
- Nov 05 Mon 2007 20:07
サービス精神とプロ意識に脱帽 ジャニーズアイドルの生存競争
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